先ほども説明したように、変形性膝関節症にマッサージだけでは効果は期待できません。マッサージやストレッチと一緒に筋トレや運動療法を行うことが一番効果的となります。
運動療法を行う前に、まずは姿勢を整えることが重要になります。例えば、骨盤が前傾(前に傾いている状態)していると膝はX脚になりやすく、反対に骨盤が後傾しているとO脚になりやすいです。
日常の生活で多い動作を練習する前に、基本となるスクワットやヒップヒンジの運動を行うことがおすすめです。いきなり日常の動作を行なっても基本的なからだの使い方ができていなければ、反対に時間が掛かってしまいます。
まずは、スクワットやヒップヒンジの動きを身に付けてから日常の動作、歩き方や階段・段差などの上り下り、しゃがむ動作などを練習していきます。骨盤や体幹の傾きなどの姿勢を意識しながら、変形の進む方向に"力"が掛からないように重心の位置などを注意しながら行います。
それと並行して、筋肉のバランスや関節の変形自体も矯正していると効果が高くなります。変形性膝関節症で多いのは、脛骨というスネの骨が外側に外側に捻れている事です。裏ももにあるハムストリングスという筋肉のバランスが悪くなっていることが多く、硬くなっている筋肉はゆるめ、弱くなっている筋肉はトレーニングすることが必要になります。
他にも扁平足や甲高、股関節が硬くなっていたり、お尻の筋肉が弱くなっている場合も変形性膝関節症の要因となりますので、それぞれアプローチする必要があります。
マッサージやストレッチだけでは変形性膝関節症は改善しませんし、トレーニングだけでも不十分です。トレーニングは変形性膝関節症のメカニズムが分かっていない場合は、変形を進めてしまうので注意していください。